暫。 サミア
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2010.03.29 *Mon*

サミア

今密かにマイブームというか、疲れた心を癒すのにニコ動が大活躍。
オタ的なことではなく、ひたすら可愛い動物の映像を見て癒される。
時々ぷるしぇん子。そしてまた動物。のヘビロテ。
で、今特に観ているのが赤ちゃんを泣き止ませようとオロオロしている犬の動画。
可愛い…もうめっちゃ可愛い…。ため息が出るくらい可愛い…。
赤ちゃんポカーン。もうその場にいたら「よ~しゃよしゃよしゃよしゃ!!!」とむつごろうさんみたいに犬の頭をかいぐりかいぐりするのに…!
そういえば、この間歩いていたら、おばあちゃんが押すカートあるじゃないですか。
あの中に見事にダックスフンドがすぽっと収まって、顔だけ袋から出してたんだけども、ボストンバックと違ってカートは縦長だから犬は中で間違いなく後ろ足二本で立ってるんだよね…!
もうそこまでするんだったらおばあちゃん犬を歩かせてあげてください…!という気がしないでもない。
でも可愛いんだよね。鞄に入って頭だけ出してる犬っていうのが。



ということで。
まだまだ人外特集は続きます。意外に多い、人外。
本日はそんな動物繋がりで、この本の感想をば。須和さんって人外多いよね…?



サミア (CITRUS NOVELS)サミア (CITRUS NOVELS)
(2008/12/09)
須和 雪里

商品詳細を見る




題名:サミア
作者:須和雪里
挿絵:門地かおり
初版:2008.12
発行:宙出版


****************************************

あらすじ:
「好きだよ、私の特別な人……」
ごく普通の高校生・友則が出会った謎の美形外国人は、なんと宇宙からやってきたエイリアン。
しかも、友則に「殺してくれ」と頼んできて……。
困惑しつつも彼に “サミア”と名付けて一緒に暮らす内に、辛い運命に苦しむサミアを好きになってしまう友則。
ある嵐の夜、「体が見たい」と言われた友則は――。
少年とエイリアンの切ない純愛を描いた表題作「サミア」ほか、「いつか地球が海になる日」、単行本未収録作「ミルク」と書きおろし「ミルクの後で」を加えた傑作短編集。

****************************************



ナイス復刊。
古本屋さんで探しても、実はなかなか見つからない須和さん。
それがこんな形で復刊になろうとは。ありがたい。
さらに挿絵のもんちっちの絵が素晴らしいのよ。各話の扉絵のみのボラでは珍しいぐらいの挿絵の少なさなんだけど、表紙といい、それがこの話のイメージと凄くマッチしていて凄くいい。
しかも帯も金色で、ボラらしからぬシンプルで美しい装丁。
本の中は『サミア』『いつか地球が海になる日』『ミルク』『ミルクの後で』の4本収録なんですが、このどの作品も表題作にしたいくらいの秀逸な出来栄え。
サミアは置いといて、まず『いつか地球が海になる日』から感想を。

この単行本の中で唯一人外が出てこない話なんですが、秀逸。語彙の無い自分達が恨めしいぜ…。
サミア・ミルクがあまりに強烈なので、素晴らしい作品なのに若干影が薄くなりがちですが。
殆ど最後の方まで主人公は単なる変態扱いというかサミアの話の後によくこんな話を持ってきたなぁ…と思ったものですが、どっこい最後の追い込みときたら!
まるでマラソン走ってる筈なのに最後のトラックでいきなり短距離選手がスパート掛けたあぁああああみたいな驚き具合。
題名の意味がわかる時、天を仰ぎたくなるような気持ちになります。うーん、そういう意味だったのか。と。

そして『ミルク』と『ミルクの後で』
かーわーえーえー!!!!めっちゃかわええーーー。
そして一話目二話目があまりにあまりな内容だったので、この話で凄く救われたし浮上できた。
この話を読んで、暫はしばらく二人で「ジジッジッジッ」とか「ほ~ら瀧又」とか「ちがーう!!」とかセリフまねをするのがはやりました。どうでもいいですよねえ。でもミルクの可愛さ異常。
須和さんって、こういうコメディタッチの物語も書くのが上手くてらっしゃる。
ただ、そんなコメディな中で『あぁやっぱり須和さんの作品だな』って思うところがあちこちにあるんですね。
そこはかとなく漂う、寂寥感というのか。そして常に死の匂いがしている。
でも、この話はハッピーエンドと言ってもよろしいのではないでしょうか。
ハムスターになった宮城は無事人間の姿に戻るしね。

そして戻って表題作の『サミア』。
文章も静かで、淡々と話が進みます。
一人称で話が進むんだけども、完全な一人称というイメージではなく、主人公が語り部の映画のフィルムを観ているような感じなんですね。一枚ガラスを隔てたような。
真夏の物語なんだけども、読者側としては1,2度程温度が低い世界を見ている…。

数あるボラ作品の中でも、相手がエイリアン…っていうのはそうないんじゃないかと。よく考えてみたらば。
人外…っていっても、まぁぶっちゃけ殆どが地球上に存在しているものじゃないですか。
動物であったり、物であったり、空想の世界であったり、いろいろあるかとは思いますが。
でも、エイリアンは違いますよね。完全に異質なモノ。地球に存在してないもの。
この方の作品って、人外が多い方だと思うんですが、その中でもエイリアンって究極の異物…相容れない存在だと思うんですね。自分に対する他人…ともとれるのかな。
この作品にしろ、須和さんの書く話って素直にハッピーエンドな話ってそうそう無い。
主人公と他人の繋がりが見ていて痛々しい。読後感もあああああ…ってなるのが多い。
ナリセコノハラ氏の痛さっていうのは、ざくざくざくっともう、刃物で直接身を切られるような痛さ。
須和さんの作品は、遅効性の毒…みたいなのかな。じわじわじわっ…と効いてくる。
若しくは水にインクを垂らした時に、インクが時間をかけながらじわじわと水底に広がっていくような感じ。
そんな痛さなんだけども、でもバッドエンドと言い切るほど全くの救いが無いというわけでも無い。
サミアで言うなら、主人公の友則にとっては悲しい出来事だったんだけれども、エイリアンのサミアにとっては救いだったんですよね。
人に限らず、エイリアンも生きている限り遅かれ早かれ死んでしまうわけで、その避けられない死をどうやって迎えるか。
けれども、その自然の摂理に反して、罪を犯したが為に永遠に生きなければならなくなったサミア。
そしてそんな彼をを唯一殺すことの出来る存在、友則。
サミアは長い間宇宙を旅して、やっと自分を殺してくれる存在を見出すんですね。
普通の人にとっては、『命を絶つなんて…生きていればいいことがあるよ』とか思うのが一般的なんだろうけども、サミアの場合はその慰めは全く意味が無い。
だって、生きてればいいことがあるよっていう言葉を放っている人間の、何百倍も何千倍もの月日を独りで生きてきたんだもの。
そんなサミアにとっては、死ぬということはのどから手が出るほど欲しかった安らぎ。
そしてその安らぎである死を与えてくれる存在が自分が愛した人である友則。
やっと眠れるということの恍惚。
愛する人に命を奪ってもらえるというのはきっととても幸せなことなんだろうな。

そして、命を奪う側になってしまう友則。
サミアが人型の姿からエイリアンの醜い姿に戻った時、迷うことなくキスした彼は、まがいものの外見ではなくて、サミアの本質を愛したんだなぁと胸うたれた。
「俺の命をおまえにやるよ」とそこまで想っていたのに、結局サミアと一緒に死ぬことの出来なかった友則は、最初本当に痛々しい。
愛する人と死別することは普遍的な哀しみなんですよね。
でも、物語の中で友則がそれを直ぐに乗り越えて…ということはなく、多くの一般的な人がそうであるように、その悲しみに区切りをつける…。
悲しみはなくならないけれども、それを背負ってまた生き続けなければならない。
その為にお別れをする。
だから、友則にとって愛する人にさようならをちゃんと言って別れることのできるということは、幸せなことだったのかな、と思うんですよね。
最後の部分の文章が本当に美しくて、まるで童話の世界のよう。
こういう話に出会うと、ボラ読みでよかったなぁと思うのです。


これは復刊レーベルだけど、サミアの旧版ってルビーなんだよね。
今のルビーを想像すると、えええええってなる。
でもこの話、93年初出。17年前の作品。
でも今読んでも色あせるどころか斬新に感じることに衝撃を受ける。
こんな名作を生んだ、JUNEって偉大。
やっぱり今のボラ世界があるのはJUNEありきだったんだなぁ…ってつくづく思う。







死んでしまったサミアを、もうかわいそうだとは思わなかった。


サミアは笑いながら死んでいった。


時は幸福なうちに閉じられた。


そして今は天上で、幸福な夢を見ながら、疲れた体を休めているのだ。


――俺の愛した、俺のエイリアン。


……おまえはもうここにはいないんだね。








【勝手に評価】
須和さんの作品他にも復刊して欲しい度:★★★★★(復刊どっとこむのお世話になるしかないのかしらん…)
B L度:★★★(それなりに。でもえろいというよりは芸術品の裸体を鑑賞してるようなイメージ)
総  合:★★★★★



ふと気づいたんだけども、『ミルク』が雑誌に掲載された時は『やばいでCHU!』っていう題名だったんだね…。
そりゃ改題するわいな。ってかその題名のがやばいでCHU★







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Author:万里&おさる
万里とおさるの腐女子シスターズ。
姉なのにおさるに虐げられて過ごす、万年ディフェンス女、万里。
オフェンス担当、α派の笑顔で人をぶった切る(人に言われた)テラドSなオフェンス担当の妹おさる。
二人合わせて暫。

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・ネタバレしまくってます。基本的に最初は日常の日記、折りたたみで本の感想になっています。
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