暫。 座布団
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2010.12.06 *Mon*

座布団

久しぶりに時事ネタでも。
そういえば、世間はEBI蔵ブーム(?)なようですね。
なんだよみんな今更!あの人の性格が悪いのなんて、今に始まったことじゃないじゃん!
三つ子の魂百までじゃん!死ぬまで矯正されるわけないじゃん!
人を嘗めてる性格っていうの?そんなのわかりきってたじゃん!

…じゃんじゃん言ってみた^^

なんかねー…人って怖いよねって思った。
EBI蔵の人間性は今に始まったことじゃないけど、この事件が発覚してからの周囲の反応っていうのかな。
今がチャーンス★とばかりにみんな好き放題言ってやんのね^^
ま、それが日頃の行いの報いなんでしょうけどもね…。

でもねぇー…この人の舞台を二度程観に行ったことがあるんですが、やっぱ天才の部類なんでしょうね。
あの人は。天才だからこそのあの性格の破綻具合なのかもしれないなぁ。
舞台に立った時のあの人の輝きは、なかなか言葉に言い表せない。
普段そんなに彼を好きでないあたくしたちですら、カブキの演目で主演がEBI蔵だったら観に行きたいと思いますもん。

つーか、このブログの題名の『暫』(『しばらく』って読むのですよ…時々『ざん』って呼ばれますが…)っていうのも、有名なカブキの演目なんですね。
この暫、凄く有名で国語の便覧とかでカラーの写真入りで掲載されてたりもするんですけど、めったに上演されないんですよ。本当にされない。
凄く好きなんだけども、上演されないから、いつか見てみたいとずっと思っていたら、数年前にですね。
なんと!演目に暫が!!しかも主演EBI蔵。場所…こんぴら。

…ええ、行きましたともこんぴらにね!
しかも凄い倍率の中、この日記の中で時々出てくるスーパーオタ従姉妹がですね。
チケットをもぎ取ってくれまして。

当日はカブキというのに若い女性がいっぱいいましたよびっくりした!
んで、「よっ!なりたや!」というおっちゃんの野太い声に混ざって、女性の黄色い「きゃぁあああ~~vvvvvえびぃぞぉぉおおおお~~vvvvv」…という声が。
カオスだった。めっちゃカオスだった。

でも、良かったなあ…しみじみ。
観た直後にもう一度見たいなって思ってしまった。
普段は身も蓋もないあんなんだけど、舞台に上がったらやっぱり役者なんですよね。
サービス精神にあふれてて、にらみをめっちゃきかせてくれていたんですよ。
まあ、演目的にそれが醍醐味みたいな話なんですけど。
色々もったいない人だ。カブキだけやってる姿だけ観てたら間違いなく人/間/国/宝になれるんだろうなって思ってしまう分、余計にねぇ…。
だけど、天は二物を与えずと言う通りですね。うん。ま、二物与えられてるけどね。顔と才能。
あ、顔も才能の内の一つか。顔はめちゃくちゃ男前ってわけでもないとは思うけど、ほんとうにカブキをする為に生れてきたような顔なんだよなー。

まあ…後遺症が残らないことを祈ります。

彼がやったことはとりあえず警察に任せるとしてだな。
それでもあの存在感に代わる人は、当代はまだ居ないと思うから、ま!反省しておとなしくカブキだけやってりゃいいと思います。
そんな猫かぶったEBI蔵なんてEBI蔵じゃねーと思うし2、3年もたったら今の事件なんかみんな「そんなこともあったね~」位にしかならなくなって、いつの間にか復活してそうな気がするけどね~…(遠い目)。



ということで。
本日は、伝統芸能繋がりで、この本の感想をば。渋い題名ですね^^



座布団 (クリスタル文庫)座布団 (クリスタル文庫)
(2000/12)
剛 しいら

商品詳細を見る



題名:座布団
作者:剛しいら
挿絵:山田ユギ
初版:2001.1 
発行:光風社出版

*************************************

あらすじ:
師匠・山九亭初助の死を知らされた森野要こと山九亭感謝。
その胸の内に、一枚の座布団の上で常に話芸の極みを目指し別世界を繰り広げ続けた誇り高い落語家への想いが去来する…。
噺家は一生涯の全てを自分の芸の肥やしにするものだと、学ばせてくれたのも師匠だった。
たとえそれが情愛でも、別れでも…。

*************************************


濃かった…。

カルピス原液ひと瓶一気飲み並みに濃かった…。
そもそもボラ本の題名で『座布団』て。しかも扱ってる題材が落語て。
伝統芸能だから、古い筈なんだけど、誰も扱わない題材過ぎて、逆に斬新でしたよ。
…といっても、もう10年前のお話ではあるんですが。
ただ、扱っている題材というか、お題自体が落語にとって普遍的であるように、それにそって綴られる物語達も普遍的なんですね。時代を感じさせない。不易流行ってこのことをいうのかなと思った。
そして山田ユギ氏の絵もいっさい変わってない^^というのも時代を感じさせない理由の一つかと^^

さて。
主人公は、ひょんなきっかけで落語の世界に触れ、そして恋に落ちるように惹かれていき、そしてその世界に入る為に脱サラまでしてしまった、森野要(受)。
そんな要が「たのも~!」と師匠、初助のところに転がり込んだところ、兄弟子としてそこにいたのが、攻の寒也だったんですな。
物語の視点は要視点で、中心はこの二人の話になるんだけども…。
なるんだけど…。
ものっそい存在感を放っているのが、二人の師匠、初助(うぶすけ)。
初助はですね。
なんと、物語の最初で死んじゃうんですけど。
なのに、というかだからこそとてつもない存在感を物語の中を通じて放ち続けるんです。

このお話、要視点の寒也との話なんだけども、同時に初助の人生を要がたどっていく…という物語でもあります。
実は初助は、その名前に反してとても男遍歴が激しいわけでして。
男をとっかえひっかえし、交わった男からまるで精気を吸い取ったかのように、初助自身は壮絶な艶を保ちながら女形を演じる。
そして、その壮絶な色気でもって新たな男を引き寄せる…と言ったらいいのかな。
…こう書くとまるで食虫植物のようですね…師匠。いやでもある意味間違ってない。
交わることによってそれが芸の肥やしに、自分の血肉になってるんだから、師匠って恐ろしい。
そんな初助のイメージは、何となく薄暗い沼の底に溜まったどろりとしたものだったり、深い深い底なし沼のような。一旦足を踏み入れてしまったら、もう二度と帰ってこれないような。

なんだけども、でも初助は師匠としては何処か情にあふれてるんですよね。
厳しいし、手取り足とり丁寧に教えてくれるわけでもないんだけども、本当に必要な時に手を差し伸べてくれる。
そして、見守っていてくれる。
だから、二人の弟子である要と寒也は、落語だけではなくて、初助のことをとても慕っているわけです。

要は、素晴らしい女形を演じる初助のようになりたいと思っていますが、まぁいかんせん踏んだ場数が違いますからね。色々あったとはいえ、要は寒也一筋!なもんですからね。
そもそも要の素質は陽であって、初助のような陰の気質ではないですから、持ち味が違う。
年を重ねても、師匠とまったく同じように演じることはできない。まあ、そうする必要もないんだけども。
要は要らしく、悩みながらも自分の落語をするわけです。


総じて20年!という期間を、現在亡くなった師匠と同じ年になった要が過去を回想するという、非常にスパンの長い物語構成です。
時代が行ったり来たりするんですが、そのあたりの流れもとても自然です。
以前は若くて、元気一筋!だった要が年を重ねて、初めて自分が出会った時の初助と同じ年になり、自らも弟子を持つようになって、師匠という立場になった今。
人間的な気質は違う筈で、同じ演目を演じてもまた異なる趣きになるにも関わらず、どこかしら、かつての初助の姿が垣間見える時があるんですよ。
たとえば、言葉じりだったり、弟子に対する接し方だったり。
そういうささやかな何かが、いつの間にか受け継がれていく…。こういうのって、いいなあと思います。
初助には血のつながった子供はいなかったけれども、彼のもとで育った弟子は、彼から受け取ったものを確かに引き継いで、またそれを次の世代に託していくのかなと。
物語の根幹の、伝統芸能という存在自体が、そうやって受け継がれていくものだから、より強くそう感じました。





読経が終わる。

僧侶はチーンと鐘を鳴らすと、深々と頭を下げて席を立った。

その後をじっと見ていた要は、すっと席を立って、僧侶が今まで座っていた座布団をくるんと見事に引っ繰り返した。

生前、初助が使っていたおおぶりの紫の座布団だ。

高座で座布団を引っ繰り返すのを、高座返しという。

要は最後の高座返しで、師匠を送ったのだ。





剛さんの何が巧いって、物語の構成力もそうなんだけど、ぐぐっと掴むべきところで、これぞ!という言葉を突き付けてくるところだと思う。
この言葉は、一話目の最後の場面。初助のお葬式でのシーン。
その前に、下っ端というか駆けだしの頃の要が、与えられた仕事の一つとして、演目が終わったら演者が座っていた座布団を引っ繰り返す…という高座返しを散々やっていたということが綴られているんですよ。
そして、最後にこの言葉。
落語に自分の人生の全てを捧げた初助を、要は最期の最期まで落語家たらしめた。
なぜならば、その高座返しを見て、参列者がみんな、笑ったから。
これって素晴らしいことだよね。
だって、落語という、人に感動を与えて楽しませることを生業とした初助にとっては、自分のお葬式とはいえ芸以外のことで客(参列者)に涙を流させるだけということは、本望ではなかったんじゃないかな。
だからこそ、参列者を笑顔にさせて、初助らしく人生の幕を下ろした要は、弟子として最高のみおくりであり、はなむけをしたんだなと。そう思います。

だから、この言葉を読んだ時に、私たちは思ったのですよ。
この話を書いた、剛さんに「座布団、10枚!!!」(笑)。



人生笑ってなんぼですよ度:★★★★★
B L 度:★★☆(詳しい描写は無いです。師匠が濃いというだけで・笑)
総   合:★★★★☆


古本屋さんで、お手頃価格でゲット出来て本当に良かった…。
そういえば、表紙の座布団の文字の色。
これ、定/式/幕のカラーですよね。凝ってるなあ^^

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Author:万里&おさる
万里とおさるの腐女子シスターズ。
姉なのにおさるに虐げられて過ごす、万年ディフェンス女、万里。
オフェンス担当、α派の笑顔で人をぶった切る(人に言われた)テラドSなオフェンス担当の妹おさる。
二人合わせて暫。

【当ブログについて】
・ネタバレしまくってます。基本的に最初は日常の日記、折りたたみで本の感想になっています。
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