暫。 帰宅
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2010.09.27 *Mon*

帰宅

本日、二人で街に出掛けたんですけども、その時にあたくしたちの近くを二人のおねいさんが通り過ぎていったんですねぇ。
後ろ姿はまぁ普通のおねいさん方だったんですが、通りすがった瞬間、二人のうちの一人がいきなり叫んだのです。わりと低く、大きい声でテンション高く。

「死ねぇええええーーーーー!!!!」

言いながらきゃっきゃと喜んでいるお二方。
…楽しそうだなぁ…随分…(滝汗)…?
おねいさんたち、ここはパンピー達が闊歩する天下の往来ですよ…?
そんな物騒な言葉、叫んじゃダ・メ★
なんつーかちょっとばびりました…。
インテの帰りに街に出て、ふと入ったカフェで、あたくしたちが通された席の周囲が全て、明らかにイベント帰りの腐女子だった…っていう事並にびっくりしちゃったな!

ちなみに、そのカフェで隣になったなったおねいさんは、一人でおっとこまえーーに同人誌を広げ、臆面もなく読み、そして感想か何かをノートに書き写しておりました。おら達びっくらしただ!
反対側の隣には、みんなカートを持っていた上に、時折聞こえてくる会話がなんともおたくな感じでして、店員さんは果たしてわかっていてあたくしたちをここに案内したんだろうか…と思った次第。
ま、おかげで堂々と会話できましたけどね!
でも、だからといって気を抜いてしまうと危ない目にあうんですけどね。
実はそのイベントの帰り、おさるは職場の人と遭遇しましたからね…(遠い目)。
街中だったから大丈夫(?)。変な会話もしてなかったからきっと大丈夫(多分…)。
だらけとか入っていくとこみられてたら絶対に死ねる。軽く死ねる。一枚の遺書を残して。

おさる「おさるの部屋にある積荷(同人誌&マンガ達)を燃やしてええええええ!!!!!」
万里「わかったわ!!サルテル!!でも君さ、須藤氏から大量に本借りてると思うけど、それも一緒に燃えちゃって無問題?」
おさる「無問題無問題。おさるの尊厳の方が大事(素)。」
万里「…あんたって…恩をあだで返すやつだよね…つくづく…」

うそです。ちゃんと返します須藤氏。まってて須藤氏。約五年後に本返すよ。ちょっと早くして三年後かな★
ばくまん終わるまでには返すよ。うそうそ(ほんとかよ)。



ということで。
「一枚の遺書」及び「帰宅」つながりでこの本の感想をば。



帰宅 (角川ルビー文庫)帰宅 (角川ルビー文庫)
(1997/02)
剛 しいら

商品詳細を見る



題名:帰宅
作者:剛しいら
挿絵:茶屋町勝呂   
初版:1997.3
発行:角川書店


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あらすじ:
爆発事故で妻を失い、ひとり息子も大怪我を負った中堅俳優の佐伯は、事故後の息子が異常な愛情で接してくるのを苦悩しつつも、受容していた。
しかし、「息子」として接していた彼は本当の息子ではなかった…。
表題作のほか、デビュー作に書き下ろしを加え、痛く、せつない愛を描いた、著者初の作品集となるラブ・ストーリーズ。

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今となってはボラ界の大御所というか、100冊を超える多くの作品を残している剛さんの、デビュー作です。
全3話からなる短編集で成り立っているのですが、最後に載っている『一枚の遺書』という作品でデビュー。
評価も、このデビュー作が一番高いようです。
前々から読みたい読みたいと思っていたんだけど、やっとこさ安くで手に入れたので、積読本になる前に速効読みました。
三話とも非常に短くて、あっという間に読めるんだけども、最後に掲載されている『一枚の遺書が心に残す印象は本当に強烈で、胸をうつ作品です。
前作二つは、私たちは読んでまぁまぁ…という印象でした。
全体的に今の剛さんの文章とは違っているんだけども、キャラクターのありようだったり、書き方の片鱗に、やっぱり剛さんの原点が垣間見える気がします。
とはいっても根本的に違うのは、BLじゃなくてジュネなんだなぁ…ということ。

『一枚の遺書』の、ラスト数行が、悲しすぎるほどに美しいんですよ。

話は、真澄という男の子が一枚の遺書を残して自殺をした…というところから始まります。
実は、真澄は主人公の近江ことオミと付き合っていたのだけれども、その一枚の遺書には、ワープロでオミへの恨みつらみが書かれていた。
刑事や担任教師は、最初こそオミを疑うんだけども、接していくうちに、オミがそういうことをする人間ではない…と疑問に思ってくるわけです。
オミも、真澄が自分を好きだと信じていたので、真澄が残したという遺書の内容が信じられない。
だから、真澄のお葬式の時もいまいち現実感が無く、泣けないままだったんですね。
正直、物語の展開は見えてました。
遺書がワープロの文字っていうのもなんだかひっかかりを覚えるから、誰かが工作したんだろうということもそうだし、ずっと泣けないオミが物語の最後で涙を流すんじゃないかなぁ…というところまでは予想が出来ました。
実際、まさにその通りの展開だったんだけれども、悲しみ、苦しみ、そして人間のずるさ、醜さ。
そんな人間の持つ悲哀全てを、剛さんは私たちの想像を超えた美しい言葉で綴り上げてきたんですね。
最後に言うオミの言葉は、全ての人間の真実を言っているような気がします。
確かにオミは真澄のことが好きだったんだけれども、それ以上に真澄の、オミに対する愛情というか執着は強烈だった。
真澄の愛情に流されるままに、オミは関係を持って、ずるずると続けてきてしまったわけなんだけども、段々と自分に対する真澄の底無しの愛情が恐ろしくなってきてしまった。
読んでいても、真澄の愛情は少々危うい何かを感じさせるものがありました。
自分が愛するものを手に入れて守る為なら手段を選ばないというような鬼気迫る想い。
そんな想いが、中学生であるオミ一人に一身に向けられる。
しかもオミと真澄は男同士だから、周囲の誰にも相談出来ない。
だから、生まれる不安をずっと、きっと二人とも抱えていていたんでしょうね。
だから、そんなオミの想いが理解出来るから、最後のオミの叫んだ言葉がこんなにも胸に痛い。
鋭い矢で貫かれたような気持ち。自分の、言い当てられたくない真実をまさに言い当てられたように。

読み終わった後、ラストの数行を何度でも読み返してしまいました。
最後の一文は神がかっているとしか思えないです。
全然ボラではないんだけども、暫がとても好きな作品なんですが、宮/本/輝の『星/々/の/悲/し/み』という物語の終わり方を思い出しました。
この作品も、最後が本当に素晴らしい。語彙の無さが恨めしいけれども、そうとしか言いようがないからしょうがない…。
ストン、と胸に落ちるように終わり、後からひたひたと、静かにしずかに寂寥感を伴う悲しみが胸に沁みてくる。
そんな感じでしょうか。

一枚の遺書を読んだ後の余韻はすさまじく、このデビュー作をタイムリーに読んでいたならきっと、衝撃だったろうなぁと。
だってこんな作品を新人作家が書いただなんて。

最後の最後でオミが涙を流しますが、涙を流すという行為は、亡くなった相手を弔う…ということはもちろんだけども、大切な人を失くしてしまった自分の想いの供養でもあると思います。
今まで真澄が死んだことが実感出来なくて、どこか自分とは無関係な出来事のように思っていたオミが、真実を知った時。
オミは涙を流して、自分の中でも本当に真澄が死んでしまった…と、理解する。
だから、自分の想いがオミに伝わって、オミの流した涙と共に真澄の魂は昇華されたのではないかなと。
そうして、代わりに、オミはきっと一生十字架を背負って生きていくんだろうな…。
結果的には遺書になってしまった愛の告白を書きとめたノートが、すれ違ってしまった二人の想いを永遠に結び付けてしまったのでしょう。
ああ、宿命だな。もうどうしようもなく。





こ、こんなのって。


眞澄が死んだって聞いた時、悲しかった。


でも心のどこかでほっとしてたんだ。


これでもう終われるって。


もうあんな事しないで済むんだって。


ごめんな、眞澄。


ごめん。


こんなに、こんなに思われていたのに、ごめんな






本当は、この文章に続くラスト数行までを抜粋したかったのだけど、この物語の最高の価値はその数行に集約されていると思います。まさに入魂の一文。
だから、実際に本を手にとって、是非に読んで確かめてみて下さい。
もう、かなり古い本で絶版なので、手に入りにくいとは思いますが、でも、あきらめないで!
きっと安く手に入る時が来る筈。
ちなみに暫は送料込で300円台で手に入れました。なんとラッキーだったことか…。

他の2作の感想は割愛します。
強いて言うなら、一作目はストックホルムの典型ですね。
ニ作目は息子(仮)の迫真の演技が俳優の父ちゃんの演技をはるかに上回っていたっていうところでしょうか。
まあ、三作品共通して言えることは、相手を想う強烈な愛情が全てに存在しているということかな。
歪んだ…どこかしらいびつな愛なんだけれども。



【勝手に評価】
涙腺じんわり度:★★★★★(最後数行をひたすらに読み直して、ただただ悲しみにくれました)
B L度:★★☆(描写はある…んだけども、なんというかえろすって感じではないんだよね…)
総  合:★★★★★


『一枚の遺書』この作品のみであれば、まだそんなに多くの作品を読んだわけではないけれども、暫の中のトップ10の中に入るかもしれない。
絶版なのが本当にもったいない。
挿絵の茶屋町さんの絵も、静かに花を添えていました。

後書の中で、剛さんが作家になろうと決意したそのいきさつが書かれていました。
剛さんの人生の転機だったんですね。

それにしてもルビー文庫…昔は多くの名作を輩出してたんだなぁ。
今は全然カラーが違ってしまってるからなあ。
どちらかといえば今は軽めの作品が多いけれども、この作品のように、読んで衝撃が抜けないような強烈な個性を持った物語を、また発掘してくれたならなぁ…って思ったり。したのでございました。


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Author:万里&おさる
万里とおさるの腐女子シスターズ。
姉なのにおさるに虐げられて過ごす、万年ディフェンス女、万里。
オフェンス担当、α派の笑顔で人をぶった切る(人に言われた)テラドSなオフェンス担当の妹おさる。
二人合わせて暫。

【当ブログについて】
・ネタバレしまくってます。基本的に最初は日常の日記、折りたたみで本の感想になっています。
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