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2010.05.20 *Thu*

リベット

上司が美容院に行き、髪を切ってきた。

上司「こんちわーっす。」
がちゃっと扉を開けて上司入室。
社員一同戦慄。

おさる「…一体どうしたんですか…?なんつーか…るーきーずみたいですね…るーきーずの誰?っていうわけじゃなくて、るーきーずって感じなんですけど何が起こったんですか…?」
別の女の子「ちょーオールバックじゃないですか…何故そんなことに…?」
上司「やぁねぇ、Aさん(女性)にね、美容院を紹介してもらったんですよ。こっちに来て、そんな日がたってないからいい美容院知らないし。それでね、Aさんが予約から何から全部やってくれたんだけど、俺が店に行ったらもう全部オーダーが決まっててさぁ。『短髪ですよね!!Aさんから聞いてますよ!任せて下さい!!!』ってノリノリで言われたら、もう乗っかるしかなかったんだけど…その美容師の人がその後に『ここ、ヤンチャな髪型するところだからw』って言われて…もう…まな板の鯉…?」
女性陣一同「嗚呼…」
上司「いやね、髪切った後に『ちょっとこれやんちゃ過ぎません…?』って言ったんだけど、『こんなの全然ですよ!大丈夫!!』って言われたんだよね…その店ではやんちゃ度は底辺だったみたいなんだけど…」
おさる「…やんちゃな上司が来たね…」
一同「嗚呼…」


ということで。
本日は『嗚呼…』と言いたくなるような(但し、意味合いは違う)この本の感想をば。


リベット (Holly NOVELS)リベット (Holly NOVELS)
(2006/09/21)
木原 音瀬

商品詳細を見る




題名:リベット
作者:木原音瀬
挿絵:藤田貴美
初版:2006.9
発行:蒼竜社


************************************

あらすじ:
初芝公平は、誰にも知られたくない大きな問題を抱えて暮らしていた。
しかし、その悩みと明るく向き合いながら、一人で生きていこうとしていた初芝の心を乱すものがあった。
それは、いつも温かく抱き締めてくれる恋人の由紀と、常に初芝の我が侭を聞いてくれる職場の後輩の乾の存在だった。
二人は初芝の心を弱くも強くもする。
自分の悩みを告げるべきか、初芝は葛藤するが…。

************************************



病をテーマとして扱った物語というのは、小説であったりドラマであったり、また映画であったり、命に関わることだけに普遍的なテーマとして描かれることが多いと思います。
けれど、内容が内容なだけに、描かれ方によってはその病気を患った人や関係者が傷ついて心を痛めることもあり得るわけですから、おいそれとそんなに簡単に扱っていいテーマとは思えないんですよね。
描くならばそれなりの覚悟を持って描いて欲しい、と個人的には思っています。

で、このお話。
ボラではない一般書で、エイズや白血病を患った登場人物というのはちらほらと見かけますが、ボラという特殊な世界…というか、現実の世界では非常にリアルな問題です。
それを少しファンタジーの入ったボラというジャンルでこの題材を選んだということに先ず衝撃。
ユイジ氏の刺青の男でもそうだけど、一体何が衝撃かというと、悲しいほどリアルなことが描かれているからなんですよね。
でも、この作品を読んで更に驚いたのは、普段は袈裟懸けに読者の心と登場人物の心をぶった切るナリセコノハーラ氏が、このお話のラストはとても未来のあるように思わせるものにまとめたこと。
それが逆に、ものすごくカタストロフィーを感じさせるんだけども、この題材を持ってきたからこそこのハッピーエンドなんだろうなとも。
それをやりきったナリセコノハラ氏はやっぱり凄いんだと思う。
物語の中で人間を死なせて涙を誘って感動させる作品を描くのは、その作風全てを否定するわけでは勿論無いけれども、実は意外と簡単だと思うんですよね。
人は必ず死ぬものであり、ボラを読むようなある程度の年齢を経た人間であれば、自分の身近な存在を失うという体験は少なからず体験していると思うんですよ。
人であれ、ペットであれ。何か大切な存在を喪失するという体験を。
だからこそ、幅広く読み手の共感を得ることの出来る喪失を描く中でも、最大級の悲しみである、死を取り扱うということは、ある意味読み手が涙を流して当然なのかな…なんて感じています。

対して、この作品の主人公は病を患ってはいるけれども、物語の中で少なくとも命は落とさない。
寧ろ話としてはこれ以上無いくらいのハッピーエンド。
読んでいてもの凄く泣かせる…っていうものでも無い。
ただ、もの凄く辛い。読んでいて本当に辛い。
その辛さや苦しみの描かれ方が、実際にその病気の人が作者の身内にいるのではないかというくらい真に迫った描写なんですね。
多分自分が同じ病に冒されたならば、同じような苦しみ方をするんだろうな…って凄く理解できる。
でも、そんな凄惨な話の中で、攻の乾の包み込むような愛がクッション材となって、物語全体を優しく包んでいるんですよ。
だから、読んでいて辛くはあるんだけれども、悲しみの涙は流さない。
けれども、物語を読んだ後は…『リベット』だなぁ…って思う。

題名の『リベット』は、鋲とかひきつける、釘付けにするという意味だけども、本当にその通り。
最終的には美しく綺麗にまとまったと思える物語の中に、深く突き刺さる一本の鋲。
それは読み手の心に突き刺さった鋲でもある。


主人公の初芝と付き合っていた彼女が、初芝の病気のことを知って、彼の元を去っていく場面があるけれども、一体どれ程の読者が彼女の行動を非難することが出来るだろうかとも考えてしまう。
口で非難することはとても簡単だけど、実際に自分がその立場になった時に果たしてそれは万難を排して耐えうることの出来ることなのかと。
それが判っているからこそ、彼女のことを非難出来ないんだけれども、だからこそ余計に、どうしようもなく…やるせなくなってしまう。
そんな時に初芝を支えるのが乾なんだよね。この乾が、ナリセコノハラ氏ではありえないくらい、良い人なんだなぁ。
このお話は、主人公は初芝なんだけれども、乾に尽きる。乾がいなけりゃ成り立たない。
乾が乾じゃなければ、初芝は救われないし、こんな未来ある終わりにもならなかっただろうな。
題名『ハンマー』とか?駄目だよそんなの!!全て破壊されそうじゃん!!

これだけ語りましたが、このお話は読んでくださいとしか言い様がないかも。
というか、ナリセコノハラ作品は『実際に読んでナンボ』っていうのが多いと思うので。

ただ、この物語はボラじゃないと書けないテーマなんですよ。
男同士の世界を描くジャンルだからこそ、このテーマを真正面から描くことによって、より重い現実を伝えることが出来る。
だってさ。実際この病気で感染する人って、薬/害ではごく少数じゃないですか。フィクションではよくあるかもだけど。初芝がこの病にかかってしまったのは、もっと現実的で、更に不幸なことには自分に非がなかったこと。
そう思うと、ナリセコノハラ氏がこの世界に在ってよかったなぁ…と思うと同時に、ボラ読みでよかったなぁとも思うのです。だってこの本はボラだし。


あと、この辛く苦しい、だけどあたたかな物語の世界観を挿絵の藤田先生が見事に表してるんですよね。
もうこの人の挿絵意外考えられないんですよ。HOMEの時といい。
凄く綺麗な絵、とか流行の絵…っていうわけではないんだけど、ナリセコノハラ氏の物語の世界観とべらぼうに相性がいいんでしょうね。







先生の人生はずっと続いていくんだから







帯の言葉にも選ばれてますが、このお話でこの言葉。凄いと思う。




【勝手に評価】
是非一読を度:★★★★★(読めば貴方の胸に鋲が。)
B L度:★★(本編ではかなーり低めだと思います。)
総  合:★★★★★



カバー裏も忘れずに。


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Author:万里&おさる
万里とおさるの腐女子シスターズ。
姉なのにおさるに虐げられて過ごす、万年ディフェンス女、万里。
オフェンス担当、α派の笑顔で人をぶった切る(人に言われた)テラドSなオフェンス担当の妹おさる。
二人合わせて暫。

【当ブログについて】
・ネタバレしまくってます。基本的に最初は日常の日記、折りたたみで本の感想になっています。
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